お手々しっとりの民

昔から、手がややしっとりしているタイプの人類として生きてきた。こうして手書きをしていると、左手を長く置いていた部分は少しばかり紙がヨレる。

子供の頃からそうだったので、紙をおさえる手はあまり同じ場所に置きっぱなしにはしないよう心がけるクセがついた。

このしっとりお手々、そう不便なこともないというか、むしろ便利だ。素手で洗い物をしてもささくれなど滅多にできないし、レジ袋も手を湿らせずにスッと開けることができる。手が滑ってものを取り落とすこともない。壁にはりつけるところまで行けたら、カエルかヤモリのようだが、今のところはクリアファイルを若干持ち上げる程度の能力にとどまっている。

便利な手なのだが、やはり書き物をするのに紙がヨレるというのはちょっとばかり厄介だ。

今日は何を書こうか、と袋から出してしばらく眺めていた紙の片端がたわみだしたのを見て、ついに触れずに湿気を与えてしまったか……? と思ったものの、エアコンを除湿で動かしていてもなお湿っぽい部屋の空気のせいということは明白だった。

学生の頃、学校の床がびちゃびちゃになっていたのを思い出しました。ゴムのトンボで寄せて流せるくらい、空気中から水が出る季節。