カテゴリー: シュリンピア

双子魔女

シュリンピアには空前の占いブームが来ており、にがにがさんの魔女活動に便乗して、きよみもタロットのお勉強などをするなどしています。
それぞれの右手と左手を合わせて二人で占いをする双子の魔女、というお話が出てきて大変たのしくなってしまい、いつの間にか絵ができていました。

にがにがさんの代理のレプリカさんと、絵面的に自走式朝顔だとなんかアレなのできよみ役に青海。

絵としてはこっちが先に出てました。
タロットカードを扱うにがにがさんと、出てきたカードがどんな意味を持っているのか調べるきよみ。実際タイムラインでもやってることですが、絵にするとそういう物語というか、アニメや漫画とかありそうですよね。ワクワクしてしまいました。

シュリンピアでのきよみ代理

自走式朝顔です。
なんかよその子にちょっかい出しに行ったりしますが、基本的にはちょろちょろしてるだけ(多分)
うるさい(ノート数的な意味で)

なんか気合い入れたらこれにならんかなという姿。
人の形してないと難しい表現したいときにはこれで行くかぁ、という気持ち。

#シュリンピア熱中症予防

タイトルの通り、熱中症予防を呼びかけるバナーの募集に応募しました。
応募のあったバナーは期間を決めて広告としてシュリンピア国内に表示されるということなので、大変楽しみにしています!

当然わたくし以外にもたくさんの方が応募なさっていて、どれもかわいい・きれいでデザインセンスが良いものだから、ちょっと嫉妬しちゃいますわね。
代理や創作キャラクターを持っている方が多い国なだけに、こうした催しがあると大変盛り上がっていて、見ていても参加していても楽しいです。

朝顔の見る悪夢(ゆめ)

※出血描写、死ネタ(?)を含みます


 ステンドグラスに染められた明るい教会、バージンロードの向こうで私を待っている愛しい人。まるきり、少女が見る夢のような光景だ。
 でもそれは、私にとっても間違いなく、目も眩むような「幸福」が感じられる光景で――
(私は、なぜこんな夢を)
 鼻をつく血臭。痛みこそないが、きっと致命傷だろうと確信するスピードで、重い赤に塗り替えられていくウェディングドレス。ぐらり、立っていられずに崩れ落ちれば、タキシード姿のイワンさんが駆け寄ってくる。
 これは、夢。そうわかっていても、体の自由が利かない。あのあやかしものを仕留めそこなったのかとも思ったけれど、気配を探ってもそれらしいものは見当たらなかった。――ほんとうに、ただの、自分で見ている夢だ。
 突っ伏すように倒れた体を、大きな手が抱き起して上向かせる。ガクン、と首が反って、意識どころか命がないのが明白な、出来の悪いマネキンよりひどい動き。イワンさんの手の温度がひどく熱くて、やっと自分が冷え切っていることを知る。
「……ァ」
 なにか言おうとして、言葉が出てこなくて、声だけが漏れたような。小さな声が、牙の隙間から落ちてくる。見上げたイワンさんの顔は蒼白で、瞳は細かく震えていた。きっと、動揺が大きすぎて涙さえ追いついていない。
 「大丈夫よ」と言いたい、彼の頬に手を添えて笑って見せたい。そもそも、こんな惨状を彼に見せたくなど、ないのに。私の喉は、声にするべき息を通さないし、指先ひとつも動かせない。死んで、いる。
「あ、おみ……さん」
 は、とわずかに目を見開いたイワンさんが、たどたどしく私を呼ぶ。
「あおみ、さん」
 約束を、したのだ。彼が呼べば、必ず返事をするから、呼んでくれと。私が、自分で言った。
「返事を、……青海さん、おねがいだから」
 ぎゅう、と縋るように、私を抱く手の力が強まる。広く、はるかに高い天井に吸い上げられて、今にも消えてしまいそうな声が、繰り返し私を呼んだ。震える声で、祈るように。……呼び返したいのに、口を開くことすらできない。なんでもいい、指の関節一つでも、瞬きでも、心臓の鼓動でも、なにか一つでも動かすことができたら、きっと応えられるし、イワンさんも気づいてくれるのに。
「青海さん、……青海、さん……」
 少しずつ、彼の声に、迷いが滲み始めて。私を見ていたはずの目が、虚ろに冷めていく。それでもなお、諦めの色だけは混ざることがないのが、私を焦らせた。
「ちがう、のか……? じゃあ、青海さんは、どこに……」
(まって)
 ぱさ、と乾いた脆い声と一緒に、抱きかかえられていた私は床へ滑り落ちる。大きな体を無理やり引きずり上げるようにして立ち上がったイワンさんが、尻尾を引きずってよろめきながら歩き出した。
「探さ、なきゃ」
(待って、イワンさん)
 ――これは、私がイワンさんにかけた、呪いだ。返事をするまで、きっとイワンさんは、私を探してしまう。
(ごめんなさい、……イワンさん)
「……青海さん」
 あおみさん、と呼ぶ声が途切れない。なおも動くことができないまま、その声に応えたくて、ただ心の中でイワンさんを呼び続けた。

「……みさん、青海さん、起きて」
 ぐらぐら、と世界が揺れる。随分はっきりとした、心配そうな声に呼ばれて、パ、と目が開いた。
「い、わんさん」
「大丈夫かい……? 泣いていたし、うなされていたから起こしたけど……」
 肩に手を置いて、気づかわしげに私を覗き込む金緑の瞳が、しっかりと私の目に焦点を合わせている。
「イワンさん……わたくし、ちゃんとここにいますわ……」
「……うん、そうだね」
 ぼたぼたと、際限なくあふれる涙を、優しい指が拭ってくれた。その手が熱くも冷たくもなくて、いつも通りの温度をしていたから。私もいつも通りの温度で生きているのだと実感して、……ちゃんとイワンさんの隣で、返事ができていることに安心して、彼にしがみついて泣いた。

 彼の寝巻の胸元を涙で濡らしてしまって、気まずくてスン、と鼻を鳴らす。私が泣いている間、ずっと優しく頭を撫でてくれていたイワンさんが、のそりと身じろいだ。
「……落ち着いた?」
「おかげさまで……」
 落ち着いたと主張するわりにはまだまだ涙声で、イワンさんが苦笑する気配を感じる。彼のことだから、どんな夢を見たのかは無理に聞き出そうとはしないだろうけれど。これを独りで抱えておくのはよくない、と思って、口を開いた。
「嫌な、夢を見ましたの」
 そうでもなければ泣きながらうなされやしないのだから、当然だが。イワンさんは真面目な顔でうなずいてくれた。
「……イワンさんとの、お約束を、守れない夢」
 ぱち、と瞬きひとつ。つい最近の悪夢に思い至ったのか、少し険しい顔になる。
「それは……」
「先日の、イワンさんの夢の。よくない続き、みたいでしたわ。おばけの気配もなかったから、ただのわたくしの心配事のせいで見たのだと思いますの。……たくさん、呼んでいただいたのに。お返事が、できなくて」
 情けない話だ。あれだけの大口をたたいておいて、約束を守れなかったときのことを夢に見るだなんて。おばけ退治こんな仕事をしている以上、命を落とす可能性は常に付きまとう。とはいえ、端から守れると思っていないような約束はしない。それでもこんな夢を見るほど、自分の力に自信が持てていないのか、と突き付けられた。
「……悔しくて、かなしい夢でしたわ」
「キミが、どうして『悔しい』と言うのかはわかるけど……そのために無茶をしたりは、しないでくれるかい」
 私の意地を張る性分をわかられていて、先に釘を刺される。私のことをとても大事にしてくれているイワンさんなら、そう言ってくれるだろうとは思った、けれど。
「でも」
「でも?」
「……お返事ができないでいるうちに、イワンさんが、わたくしを探してどこかへ行ってしまいましたのよ」
 イワンさんに、あんなに虚ろで悲しい顔をさせて。見つかるはずもない探し物を、ほかでもない私がさせてしまうだなんて、とても耐えられない。生き残るために、少しでも力をつけなくてはいけないのだ。
「……オレが、キミを置いて?」
「だって、わたくしは『返事をしないのはわたくしではない』と申しましたもの……イワンさんはなにも間違ってませんのよ」
「泣きながらオレを呼んでいたのは、そういうことか……」
 話をするために少しだけ開けていた距離を、ぎゅうと抱きしめてぴったりくっつかれる。抱きつき返せば、イワンさんはそっと背中を撫でてくれた。
「聞こえたよ、ちゃんと。青海さんは、返事をしてた」
 例え寝言だったとしても、それが聞こえたから起きたんだよ、とゆっくり穏やかな声が言い聞かせる。
「オレが、もしキミを見失ったとしても。青海さんも、諦めないでオレを呼んで。オレが気づくまで」
「声が出なくても?」
「気づくよ。ワニは耳がいいんだから」

ワニの見る悪夢(ゆめ)

※出血描写、死ネタ(?)含みます※


 ステンドグラスに染められた明るい教会、バージンロードを歩いてくる愛しい人。まるで視点を変えただけの、少女が見る夢のような光景だ。
 でもそれは、オレにとっても間違いなく、目も眩むような「幸福」が感じられる光景で――
「……、あ」
 瞬きの間に、青海さんの真っ白なドレスが重い赤に濡れた。
 嗅覚を塗り潰すほどの濃い血臭、ぐらりと出来の悪い人形のようにバランスを崩して倒れこむ彼女へ駆け寄る。
 頭を殴られでもしたように、混乱していて、言葉も出ない。
 バージンロードの半ば、音もなく身を伏せてぴくりとも動かない彼女を抱き起した。……それだけで、腕の中に納まった細い体に、命がないことを理解してしまう。
 冷えた肌は生気を失って青白く、床からそっと身体を拾い上げても、くたりと芯のない柔らかさで揺れるだけだ。縋るように抱きしめても、呼吸も、心臓の動きも、なにもない。
「……ぅ、ア」
 肺に充満するような血の匂いに、呻く。
 胸の内が軋んで、深く絡まってオレの心を支えていたツルが失われたことを突き付けられる。
 ――彼女と、出会って。くすぐったいような幸福に、空虚だった内側が満たされていって。それが、止めようもなくこぼれ落ちていく。
「……嫌だ、」
 失いたくない、大切なものが。こんなにも簡単に、あっさりと、手の届かないところへ行ってしまう。オレをひとり、のこして。
 喪失に耐えかねて、強く彼女を掻き抱いた腕に、重く濡れた感触が滲みる。タキシードの胸を染めた、冷え切った鉄さびの匂いがオレの心臓を凍らせて、スゥと意識が遠のいた。

 起き抜けから泣き出したオレに、青海さんは戸惑っていたようだったが、しばらくはおとなしく抱きしめられたままでいてくれた。もそ、とオレの腕の中からはみ出した手が動いたかと思えば、抱き返して背中を撫でてくれる。
「こわい夢? それとも、かなしい夢かしら」
 柔らかい声は、子供扱いするでもなくただ静かにオレを案じていた。悪夢にすり減らされた神経を、彼女の優しさが少しずつ宥めていく。
「……どちらも、かな」
 大事な人を失う、恐怖と。なすすべもなく奪われる悲しみと。
「オレは……こんなに、弱かったかな」
 起こってもいない最悪を、夢に見るほど。その夢ひとつで、泣いてしまうほど。
「弱い、のではなくて。やわらかくて、優しい心があるからでしょう?」
 腕の中で身じろいだ青海さんは、少しだけ体を離すと、オレの頬を撫でて涙を拭う。しっかりと目を合わせて微笑まれると、買い被りすぎじゃないか、と思うような甘い評点に「そうかもしれない」とうなずいてしまいたくなる。
「優しいのは青海さんだよ」
「そうかしら」
 くすくすと笑う顔は、夢と違って血色も良くて元気そうだ。オレの胸元に寄り添って、きっととっくに眠気もないだろうに一緒に寝転がっている。いまだに彼女を捕まえた腕を開いてやることができなくても、文句の一つもないどころか、少し嬉しそうなのだから心底オレに甘い。
「……どんな夢をご覧になったの」
 思い出したくないでしょうけど、とオレの様子を伺いながらそっと聞いてきた青海さんに、一瞬声を詰まらせる。今は「死」を口にするのも嫌だった。本人には、特に。
「そのご様子だと、わたくしになにかあったのかしら」
「……キミにはかなわないな」
 心配性ね、と言いながら、細い手がオレの背中をさすって、ぎゅうとくっついた胸に彼女の心拍を感じる。すべらかな足に巻き付けた尻尾をつま先でくすぐられて、フフ、とこみあげてきた笑いが、まだ少し残っていた冷たい澱を溶かしていくようだった。
「……ね、イワンさん」
「うん」
「わたくし、あなたに呼ばれたなら、絶対にお返事をしますわ」
 それは、息を吸ったら吐きます、と言うように自然に告げられる呪い祝福だった。
「だから、絶対返事なんかしないだろうという姿を見ても、どうか諦めないでわたくしを呼んで」
 それであなたの声に応えないわたくしは、あなたを呼び返さないわたくしは、わたくしではないから。
 確信に満ちて断言する彼女は、まるで夕飯のメインは魚がいい、というときと変わらない顔をしている。――日常、なのだ。青海さんにとって、この約束は、気を張ることでもなく、とっくに彼女の当たり前になっていることを、オレに教えてくれるためのもの。
「絶対?」
「ええ、かならず」
 どれだけの、覚悟だろう。命がけの仕事をしながらオレより先に死んだりしないこんな約束を簡単にできるほど軽薄な口をきく女性ではない。それを、当然のように。
「……じゃあ、そうするよ」
 オレのレディは、きっと嘘をつかないから。

 青海さん、と呼ぶ声が聞こえたほうへ足を進める。ひどく悲痛で、消え入ってしまいそうな、震える声。それでも、その低い声は返事を「待って」いた。
「わたくしはここよ」
 声を上げれば、ぱ、と周囲の闇が晴れて神々しく鮮やかな教会に様変わりする。
「あおみ、さん」
 イワンさんは、赤黒い布の塊を抱えて私を呼んでいた。
 ……夢の主の心を喰い荒らす、寄生虫のようなあやかしものだ。
「ちゃんと、わたくしを呼んでくれましたわね」
「あおみさん?」
 声を探すように、イワンさんが顔を上げる。
「ねえ、イワンさん。大丈夫よ。だって、そんなに近くにあなたがいて、わたくしがひどい怪我をするはずがありませんもの」
 バージンロードを、駆ける。
「これは夢。それ・・暁青海ではありませんわ・・・・・・・・・・・
 はっ、と目を見開いたイワンさんと、目が合う。私と手元の布の塊を見比べて顔をひきつらせた彼は、抱え込んでいたそれを取り落とした。ぐちゃぐちゃに濡れた血染めの花嫁に、顔らしい顔はない。半ば投げ捨てるように落とされたくせに、ソレは音ひとつ立てなかった。
「音の演出をお忘れよ、三文劇作家さん」
 イワンさんの夢で、好き勝手して。彼のやさしい心を、わたくしへの愛を、騙し取るように啜っていたこと、許すつもりはない。
「招きもしないのに、いつまで居座るおつもり?」
 手近の燭台をつかみ、ウェディングドレスだったものに三叉槍のように突き刺す。布がもがくようにうごめいたと思ったら、後ろから伸びてきたたくましい腕にからめとられて、ぎゅうと抱きしめられた。
「青海さん、」
「大丈夫、このまま覚めてしまいましょう」
 イワンさんに抱かれたまま、柏手を打つ。パン、と二つ重ねた鋭い音の後で、照明を落としたように視界が暗転した。

「青海さん、ねえ」
 目を覚ましたら、夢でしたように青海さんを抱きしめていた。覗き込めばキッと眉を寄せた凛々しい顔をしていて、まさか、と思ってゆすり起こす。
「……ン」
 ぱち、と目を開けたかと思えば、青海さんはすぐに起き上がってオレの顔を覗き込んだ。
「泣いてませんわね!?」
 やはり、同じ夢を見ていたのだ。
「公園で転んだ子供じゃないんだから」
 あれほど恐ろしかった夢が、もう思い出すことも難しい。明け方の薄明の中で、愛しい朝顔は少し元気すぎた。
「なんですのあれ。わたくしの・・・・・イワンさんの夢で花嫁面して!」
「フフ、」
「笑いごとじゃありませんわよ」
「オレには青海さんだけだよ」
「わかってても嫌!!」
 じたばたと小さく暴れる青海さんを腕の中にしっかり閉じ込めなおして、ぱたん、とベッドに転がる。
「キミは、夢にまで助けに来てくれるんだね」
「呼んだら返事をしますと言いましたでしょ」
 まさかそれで夢にお邪魔できるとまでは思ってませんでしたけど、とスンとおとなしくなった。鼻の先をすり合わせればこてんと首をかしげるので、これ幸いと唇を奪う。
「時間外労働をさせてしまったようだけれど、報酬はどうしようか」
 すす、と抱きしめたままだった手を滑らせれば、青海さんは顔を真っ赤にして縮こまった。
「労働だなんて、好きな方についた悪い虫を取っただけ……んっ、もう!」