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ミント足バケツ

私の部屋には、折りたたみができる四角いバケツがある。

昨年の夏、在宅での仕事が発生して、エアコンの風が当たるベッドに転がり続けるわけにもいかない時間を過ごすことになったのだ。

机の下にバケツを仕込んで、冷水に足を浸して作業をする。ちゃぷちゃぷ音を立てながら画面を眺めるのは、出社していてはできないことだからだろうか、そこはかとない背徳感があった。

近頃の情け容赦ない酷暑に対抗できるようなものではなく、冷房と併用のうえ凍らせた大きな保冷剤を投げ込んでおいても、一時間もせずに水がぬるくなる。空気よりも水の方が熱を伝えやすいので、水に浸っているだけで体温が逃げやすいとはいえ、同じ温度になってしまってはなんの効果も見込めない。

儚い涼だ……と思って終えた昨夏から一年。私は自分が持て余す程のハッカ油を持っていることに思い至った。バケツにたっぷりの水へハッカ油を垂らし、足を入れる。案の定温度的にはすぐにぬるくなっていくのがわかったが、水からひきあげた後も、足はひんやりとさわやかで、長く楽しめる涼になった。

睡眠環境のメンテ

今日はベッドをひっくり返して、シーツと毛布を洗った。

シーツのかけはがしだけでもまあまあの重労働だもので、天気も良く気温が高い中、息を切らしながら大きな布たちを洗濯機へ放り込む。

毛布だけで重量オーバーになりやしないかと心配したものの、一時間程でしっかり洗いあがってくれた。

からだ全部を使ってベランダの柵へ毛布とシーツを投げ出すと、シーツにはエアコンの室外機の風が直撃している。そのおかげか、ペラッとしたシーツは二時間もしないですっかり乾かし終わった。

なかなか乾かないだろうと思っていた、多層構造になっている毛布も、昼過ぎにはフカフカに乾いた。冬の間大変世話になった毛布だが、もはやこれをかぶって眠ることは自殺行為のため、臼井ブランケットに役目を交代していただくこととする。

マットレスは枕が乗っていた箇所を足元の裏面になるようひっくり返す。もはや見た目にもくたびれてきているのがわかるが、私がもう少しお金持ちになるまで保ってくれるよう祈るばかりだ。

万年筆のお世話

万年筆を洗っている。

うっかり数か月放置してしまった二本はすっかりインクが固まってしまって、ためし書きでもまったく書けなかった。

今何で字を書いているかと言えば、一番の新入りつけペンだ。洗っているのはコンバータ式の万年筆で、ビンからインクを吸い上げて、しばらく書き続けられるもの。紙とペン先をがするするとよく滑って書き心地が良いのでとても気に入っている。

つけペンは少しカリカリした書き心地だが、ペン先が曲げられていて、右払いの書き味がたまらない。

ペン三本、インク三種のお世話。最近はサボりがちだったが、放っておくと大変なことになる。むしろお世話になっているのだから、今後はもっとマメに書いてケアしていかねばなぁと思う。

万年筆の中で固まったインクは、ニブを丸一日水にひたしていても未だにとかしきれずに水を染めている。

トウモロコシ:2025

今日はトウモロコシを買ってきた。

もうトウモロコシが売り場に並ぶ時期なのか、と思うと少し遠い目をしてしまう。

まだ六月だというのにもう夏のものが出てくるとは……

梅の実もいっぱい売ってるし、どんどん季節が過ぎていくし、ぼうっとしているといろいろなものを見逃してしまうのだろうなぁ。

梅雨がもう終わるだとか、すでに最低気温が25℃を超えるだとか、とっくに除湿でエアコンを入れるハメになっているだとか、体に夏を叩きこまれているところではあるけれど、食べるものに季節が現れてくると妙に心に来るものがある。

季節ごとに食べたいものはあるが、それが目の前にあるとビビるのは不思議。

トウモロコシは明日にでも電子レンジでふかして食べようと思う。

食べる夏、たのしみだ。

2025/6/16

見て! 尿路結石のオブジェ!

にがにがさんと、東京に遊びに行ってきました。
そもそもはわたくしが「少し先の楽しみな話がしたいなー」と言い出して、「例えばどこかに一緒に出掛けるだとか」みたいな話になったのがきっかけ。
にがにがさんが「ずっと行ってみたかったところがあって」と教えてくれたのが、インターメディアテクでした。東京駅すぐそばの、無料で入れる博物館です。

こちらの紹介記事がとても分かりやすいので、行ってみようと思われる方は参考にされるとよろしいと思います。わたくしのブログには、のろけとはしゃぎしかないです。

「少し先」と言ったのもあって、当初は次のお仕事が始まって、落ち着いてからのつもりでいました。しかし、考えてみればわたくしが一番時間を取りやすいのは今月中。休職(自宅療養)中だけど、しんどかった仕事のことを意識の外に置くためであれば、外出も立派な「休み」だろうということでね。

相談してみたら、にがにがさんも「じゃあ天気も悪くないし今週にでも」と快諾してくれて、今回のオフの運びとなりました。

実はオフというものに参加したことが(ほぼ)なかったため、ネットで知り合った人とサシで会うことに対する緊張だとか、TLでも作業VCでも散々仲良くしてるけど顔合わせてみたら全然合わん……みたいなことがあったらどうしようというビビリだとかでアワワワしながらの集合です。

八重洲の星を目印に集合。
この時点で、わたくしは自分が使ってきた路線から八重洲の星まで行くのに迷子になりました。
にがにがさんはわたくしからの「東京駅から星まで道路渡らなきゃいけないし、改札前で待ってますわよ」という連絡を見落として先に星まで行ってしまうし。

集合時点からわちゃわちゃしていたけれど、そのおかげで緊張が解れたかなと思います。
星は屋外に置かれているのにピカピカに磨き上げられていて、とてもきれいだし大きかったです。尿路結石とか言ってごめんな……でももう尿路結石としか思えないんだ……(ミス廃のえび)

インターメディアテクに行ってから、マルゼンカフェでごはんを食べよう、とルートを決めて、二人でゆっくり歩きます。お互いそれほど速足で歩くわけではないので、都会の人波に揉まれると大変なのですが、インターメディアテクまでの道はそれほど強烈な混雑はしていなくて助かりました。

インターメディアテクはKITTEという日本郵便の所有するビルのなかにあります。
ビルの外観、写真撮ってくればよかった……。1階に千疋屋とかスタバとか入ってて、まあ周りのビル全部そうですけど上品で綺麗なビルでした。

エスカレーターで2階へ上がると、すぐインターメディアテクの入り口があります。
白衣に似た制服の受付の人が展示場でのルールや荷物置き場のことを説明してくれたので、ロッカーに荷物を預けて展示を見に行きます。

博物館にしては本当に珍しいことだと思うのですが、ほぼすべての展示品について(個人利用の範囲で)写真撮影可。個人利用の範囲で、というのが悩ましいところですが、Xとか見ていると結構来館者さんが写真をアップしているし、公式さんもそれに好意的な反応をされているようです。無料で入れるうえに懐がめちゃくちゃ広い。すごい。

ここから先、動物標本や骨格標本などの写真が多く含まれます

まずは入り口のマチカネワニ。

でかい。説明不要。
「マチカネ」の名前は大阪にある「待兼山」で化石が発見されたことに由来するのだとか。これは化石のレプリカで、体長7mあるそうです。

尻尾の先が床近くまで伸びていて、上の写真で手を添えた高さは多分床から1m程度だったと思いますが、それで尻尾から伸びた背びれみたいな部分の骨がこんなに大きい。

この大きな体でデスロールとかするんかな……と思いましたが、細い口から「魚を食べていたのではないか」とされているそうです。なるほどなぁ。
この大きな体に対してお手々が小さくてとってもキュート。ワニにも肩甲骨(?)ってあるんだ……となぜか感慨深くなってしまいました。

ワニの横にある階段を上ると、鳥の剝製がずらっと並んでいました。ピッカピカに磨かれたガラスに自分が映り込んでしまっているため、お見せできない写真も多々あるのですが、生き生きとしたポーズで来館者を見下ろす鳥たち、すごかったですよ。ヒクイドリの雛とかも剥製がありました。雛であんなに大きいのか……。

鳥たちの横を抜けて3階の展示室を奥から見ていくと、レトロ趣味にはたまらない品物がたくさん並んでいました。

タイプライターとか、いっぺん触ってみたくなるじゃないですか。当然おさわり禁止なんですけど、ケースに入っているでもなく、ただそこに置かれています。展示物との距離が近い。

生薬や染料のコレクションなんかもあって、それぞれ当時の説明書きみたいなものと一緒に展示されているのですが、旧仮名遣いだったり漢字とカタカナだったりで、ものすごく時代を感じました。明治とか大正とか、本当にそれくらいの時期に人の手で書かれたんだなぁって。

綺麗な植物標本もありました。すっかり色が抜けて青白い透明な姿になっていますが、それがまたとても美しい。あとチョイスが最高。トリカブトとかベラドンナとか、毒草でテンション上がってしまう。

展示室の窓からは東京駅の外観も見ることができました。美しい。

古めかしい工具だったり、遺跡から出土したという工芸品や装飾品など、人類絡みの展示物をたくさん見て、2階へ下りました。こちらは動物の剥製や骨格標本がたくさんあって、今生きてはいないのに「いきもの」の密度が強くて迫力がありました。写真は撮ってこなかったけど、きらきら光る甲虫の標本や、つまようじより細い骨のネズミや蝙蝠の骨格標本、鳥よりでかい蛙の骨格標本なんかも興味深かったです。

なぜかよく吊るされているワニ(1)。
手前は確かダチョウの骨格標本です。胸のところ(胸骨?)こんな鎧みたいに広くてごつい骨が入ってるんだ……とびっくりしました。もう少し下から写せばよかった。

これはでっかいカニの標本。:また蟹の話してる:

これは吊るされていなかったワニ。コビトカイマンという1mくらいのワニです。
ワニのボディライン、とてもかわいくてすき。イワンさんの尻尾描くのにいいなと思って、尻尾周りめっちゃガン見してしまった。

これはワニのお向かいに展示されていたウニの標本。

これは岩塩の標本。赤系の岩塩は見たことあるけど、青いのは見たことがなかったのでびっくりしました。宝石みたい。

なぜか吊るされがちワニ(2)(3)。
随分上のほうに展示されているから最初は気付かなかったし、目線から遠いせいで小さく見えるけど多分2mくらいはあるのではないかと。やっぱり前足のところで細くなった胴がおなかのところでまるくふくれるの、かわいくて好き……。

目玉はミンククジラの骨格標本だったのですが、そっちは撮り忘れました。これはマッコウクジラの肋骨だそうです。肋骨一本で3mくらいあるのでは……?
成人男性が余裕で寝られるハンモックみたいなサイズ感です。でかい。

ミンククジラの骨格標本のそばにはオキゴンドウの骨格標本もありました。

一通り見て回って約2時間。にがにがさんが見てみたかった「ずらっと並ぶ動物標本」がここではなく上野の東京科学博物館だということが判明したところで、インターメディアテクをあとにしました。

基本的に詳細な説明などがあるわけではなく、個人が蒐集したものをランダムに展示されている感が強かったのですが、写真が撮れるおかげで気になったものをあとから調べたりもしやすい気がします。何度か通いたい。

東京駅が見える範囲で歩き回っていても、案外たくさん歩いています。この時点ですでにふたりとも足が痛くなっていたりしつつ、マルゼンカフェへ向かいます。目的は早矢仕ライス。
欲張りなので早矢仕とカレーどっちもついて、しかもたまごも乗ったオムハヤシカレーを食べてきました。カレーが結構からかったので、ふわとろたまごと早矢仕の甘さがより引き立つ。

にがにがさんはたまごがないのを頼んでいました。
で、二人そろってメインのごはん写真を撮り忘れました。おいしそうだったし、お腹すいてたし……。

デザートは忘れずに撮りました。わたくしがアップルパイ、にがにがさんが檸檬のシフォンケーキ。アップルパイはシナモンの香りが効いていて、シャキシャキ感を残したりんごの食感が大変美味でした。
檸檬のシフォンはな……すごいぞ……。一口分けていただいたのですけど、口に入れたら溶けてないなりました。一緒にお皿に乗っていた檸檬のジュレもおいしい。

お外でおいしいものを食べる機会がそれほどないというか、おしゃれな街のおしゃれなお店でごはんという経験があまりないので、おとなしいお姉さんのふりをしていましたが頭の中がお祭り騒ぎでした。デザートわけっこするような仲良しとお出かけっていうのがそもそも一大事ですし。

目が合うと照れ笑いしたりしながらたっぷりデザートまで堪能して、なに話そう……と言いながらぽつぽつお話していました。お店を出るころには慣れてきていたかな。

しばらくゆっくりしてから丸善ビルの地下へ下りて、文房具売り場を眺めに行きました。
ウン万、ウン十万みたいな万年筆の値段に恐れおののきつつ、向かったのは万年筆用のインクコーナーです。ラメが入っていたりしておしゃれなインクがたくさんあったのですが、その中で「これを買わなきゃきよみじゃないだろ」みたいなのを見つけてしまいました。

パイロットの色雫「朝顔」です。
青みがかった紫で、名前がこうでなくても惹かれていただろうなと思えるインク。
現状持っている万年筆が既存のインクで埋まっているうえ、ガラスペンがオダブツしているので、すぐには使うことができません。が、いずれ使うことができたら皆様にもお見せしたいと思います。綺麗だろうなぁ……。

そんなこんなで見たいと思っていた場所を制覇して、まだ名残惜しいからと10時近くまで喫茶店でお話して、創作の話が盛り上がったりして。
お昼過ぎから夜まで、たくさんたくさんにがにがさんと遊ぶことができました。

今回会おうというお話になったのが水曜日(お会いしたのは金曜日)で、2回目に会う予定が木曜日には決まっていたのがかなり面白いですけど、それもすでに楽しみだし。
いずれ上野も一緒に行こうねとか言ってるし。

帰ってきてから歩数を確認したら15000歩近く歩いていたし、足がぐでぐでで力尽きていましたけど、それでも翌日このブログを書いている今まで上機嫌を引きずっています。
本当に楽しい時間を過ごせました。

生のプルーン

プルーンといえば、水信玄餅の擬音めいた名とは程遠い、シワッシワのドライフルーツを思い浮かべる人も多いのではなかろうか。

かく言う私もそのクチで、ネットリとした食感のドライフルーツしか知らなかったのだが、先日のプラムで味を占めてのぞいた果物売り場で、なんと生のプルーンが売られているのを発見してしまった。

深い紫の果実はドライフルーツから想像するよりも大きい。しっとりした重みを手に感じながら水洗いしてかじりつけば、蜜芋のように透き通った鮮やかな黄金色が顔を出す。瑞々しく甘い生のプルーンは、晩夏の夜のぜいたくだった。


あんまり鮮やかだったので、かじった断面を写真に撮ってしまいました。
わざと画質を落としてあります。食べかけ写真が苦手な方はクリックしないでくださいね。

黒紫のネットリしたドライフルーツしか知らないでプルーンというものを想像したとして、誰がこんなきれいで鮮やかな黄色い果肉を思い浮かべるというのか。

酸味がほとんどなくて、とても甘かったです。生のほうが好きかも。

ハッカ水スプレーにタグ付け

先週作成したハッカ水のスプレーにタグをつけました。

愚かなことに、同じ色で同じ大きさの遮光瓶を使って中身が違うものを作ったので、蓋開けて嗅いでみないと見分けがつかなかったんですよね。

こうなることはわかってはいたので、クラフト紙のタグと、百均のラッピング用麻紐を購入しました。クラフト紙のタグは通販だったので、届くまでにしばらくかかったのですが、先日到着したのでやっと作れました。

こういう細かいところ、万年筆を使ったりして気分を出していくの楽しいですね。
筆記体でかっこよく書けたらもっと楽しそうなんだけどな……。

いっそ香料の頭文字を使ってそれっぽいロゴ作ってタグに描けばかっこいいのでは?

ロゴ作成のネタが出てきましたね。やったぜ。

プラムの丸かじり

人が食べているものというのは、なぜこんなに美味しそうに見えるのだろうか。

それが旬のものならば、なおさらである。

普段は高価だからと見向きもしない果物コーナーで足を止め、長々とどれが一番甘そうか悩み、買ってきたのがプラムだった。サマーエンジェルという品種らしい。

プラムを食べるのは実に小学校の給食以来だ。

酸味が苦手であれば皮をむくと良いらしいが、面倒でそのままかぶりつくことにした。

しっかりした歯ごたえ、バラ科を感じる甘く豊かな香りと酸味、たっぷりの果汁。古くは果物を水菓子と呼んだ、と思い出した。


本番一発勝負、万年筆で書きました。
今日は立秋。暦の上では秋ですが、夜になれば秋の虫の声が聞こえても、昼は蝉の天下。
こうして瑞々しい果物を冷やしてかぶりつく幸せを、まだまだ味わうことができそうです。

※お知らせ※

今日からSkebの受付を再開しました。
イラスト、文、ロゴ、どれも歓迎です。頑張って製作いたします。
ご依頼をお待ちしております!